~シングルハンディ、競技ゴルファーにも役立つ~
フォロースルーは大きくするな
「大きなフォロースル―で、腕をできるだけ遠くへ伸ばして」
「フォロースル―でヘッドスピードが最大になるように大きく振り抜け」
など、ヘッドスピードアップのレッスンでよく見聞きする表現です。
フォロースル―でダイナミックに腕が伸びた姿は、確かに華麗でカッコいいですね。
以前、
「フォロースル―で最大のヘッドスピードにしようとしたら、もうスイングが終わってしまった」
と言われたことがあります。「こうしよう」と思って動作に移すよりも、
ヘッドスピードの方が速かったということでしょうか。
本項目のキーワードは、
1. 「遠心力」
2.「スイングは左右対称」
3.「~する、しよう」
の3つです。特に、ゴルフスイングの動作を身体と頭の両方で理解を深めるためには、
動作に意図を込めて「~する、しよう」と、
結果的に「そうなる、なっている」の違いを見ていきましょう。
ここが我流スイングへの落とし穴だった!
プロの連続写真を正面方向から見ると、フォロースル―の一瞬の一コマで、
クラブヘッドが目標方向を指している瞬間があります。
腕がしっかり伸びて、クラブヘッドを目標方向に
まっすぐに放り投げているるように見えるかもしれません。
よく「フォロースルーはハンマー投げのように」などの表現でも説明されています。
しかし、ハンマー投げは、持っている道具自体を目標に飛ばします。
スイングとは運動の種類が全く違うはずで、この表現は大変誤解を招きます。
目標にまっすぐに放り投げるハンマー投げのイメージが強すぎると、
フォロースル―でアゴが浮き、両ひざも締まらずに
クラブに「持っていかれる」ような体勢になってしまいます。
遠心力を考慮しなければ、円と直線がケンカしてしまう
ゴルフスイングは、円運動であることに異論を唱える人はいないでしょう。
「クラブヘッドを目標に真っすぐに放り投げる」は、“直線運動”がイメージされてしまいませんか?
円運動の中に直線が入れば、円であるべきスイングの軌道が崩れてしまい、
ヘッドスピードも大きく落ちてしまいます。
円運動の途中に“真っ直ぐに見える一瞬”があるだけで、
円運動をしているクラブヘッドが向かう先は、
目標方向よりも、むしろ目標と反対方向になるはずです。
物体が円運動をすると、中心(身体)から(クラブヘッドが)外へと
膨らもうとする遠心力が働きますが、クラブヘッドを丸く動かせば、
遠心力を生かしてヘッドスピードを上げることができます。
しかし、目標方向に真っ直ぐに放り投げようとすれば、遠心力とケンカしてしまい、
クラブヘッドがますます身体から離れて、スクエアにインパクトすることができなくなります。
ダウンスイングからフォロースル―にかけて、
ヘッドスピードが大きく上がるので、ヘッド軌道は遠心力で膨らんでいきます。
実際は左右対称からフォロースル―側の軌道がやや大きくなってしまうのです。
フォロースルーは大きく「なってしまう」のであり、大きく「する」のではない、という理解が必要です。
遠心力を計算に入れず、結果的に大きく「なる」ものを大きく「しよう」とするところに、
我流スイングへの落とし穴があったのです。
遠心力は、正しく理解して生かせばスピードアップがはかれ飛距離を伸ばせますが、
意味や効果が解からず、ただ速く振ろうとすれば、負けてしまい、ナイスショットは望めません。
自分流スイングへの転換のコツ
おおよそ、ヘッドスピードが42~43までなら、そんなに速いヘッドスピードではないので、
プロのような大きなフォロースルーにはならないはずです。
腕は、伸ばすよりたたむときにスピードが上がり結果的に円運動になるのです。
そこにヘッドスピードなりの遠心力が発生して、
左右対称イメージよりは大きなフォローになっていくという理解が必要です。
チェックの方法として、クラブを反対に持って振ってみてください。
ビュンと音が鳴るように振るには、腕はコンパクトにたたんでいくはずです。
逆に、クラブを目標方向に放り投げるように振れば、
途中で滞ってスピードがかなり落ち、ビュンと音は鳴らないでしょう。
クラブヘッドは、目標方向と反対側に放り投げるイメージが正しいことがわかるはずです。
クラブを通常の使用に持ち直してスイングして、フィニッシュでピタっと止まれたら、
結果的にフォロースル―で最速のヘッドスピードに「なっている」ことでしょう。
正しい解釈へのポイント
フォロースル―とは、インパクト後の部分の形です。
インパクトでフェースと球が接触している時間は、
ほんの一瞬でコントロールできる世界ではありません。
「フォロースル―でヘッドスピードを最大にしろ」と言われても、
球がフェースから離れてしまってから、大きな動作でスピードをかけても意味があるとは思えません。
アベレージゴルファーが、この定説を文字通り受け取れば、
やはりその部分に来てから「そうやろう」としてしまうでしょう。
スイングは、インパクト前から以降にかけて、スピードが最高潮になります。
そのとき、腕が目標方向に引っ張られて、放り投げているように、
「見える」のであって、「放り投げている」のではありません。
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