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2023年3月

vol.48 アドレスで背中はピンと伸ばさないといけないのか?

100切り達成自分流スイング上達塾・オンラインレッスン

vol.48
■ 記事一覧(~vol.89まで)はこちら

 

「伸ばす」と「反らす」は似て非なるもの

ゴルフ雑誌のアドレスの写真を見ていると、
「背すじをピンと伸ばせ」という表現をよく目にしませんか?
 
しかし、よく意味を理解していないと、とても誤解を招く表現です。
レッスン用語として、というより、日本語のニュアンスとして、といっていいでしょう。
 
背すじを“ピンと伸ばす”という表現は、
背中をほとんど「反らすように」と解釈されてしまうようです。
 
 
下の左画像のような背すじで構えている人が多いので、この定説が生まれたのでしょう。
下の右画像が「反った」背すじです。
 
 
2020619234936.jpg

腰が入っておらず、スイングしたらフラフラしてしまう

2020619235012.jpg

一見、力強そうだが・・・・

 
私が日々のレッスンで接しているゴルファーに聞いてみると、
大半の人が「背すじはピンと伸ばして構える」と思っているのです。
 
人間本来の骨格を知る
野球の打席での構え、卓球のサーブの姿勢を思い浮かべてみてください。
どちらも背中が丸まっていますね。
身体の始動の前は、背中は丸まっているものなのです。バレーのスパイク、
テニスのサーブなどは、パワーをためて一気に解放する動きなので、例外です。
 
人間の背骨は、軽いS字になっていることは周知のことでしょう。
私たちが普通に立つと、背すじは”自然に伸びて”いますが、どういう経緯か、
ゴルフスイングでは背すじを「ピンと伸ばして構えろ」が定説になってしまいました。
 
 
ここが我流スイングへの落とし穴だ!
年齢がいくと、背すじは自然にカーブを描き、曲がっていくのが人間として普通です。
20歳と45歳、さらに60歳の人のそれぞれの背すじの伸び具合の違いは明らかです。
 
メディアの露出度の多い人気プロは、若い選手がほとんどなので、背すじはきれいに伸びています。
アマチュアゴルファーが「○○選手のように、背すじをピンと伸ばさなければ」と解釈してしまうのは、
憧れもあり、自然な流れでしょう。
 
しかし、”背すじをピンと伸ばす”ことは「反らせる」ことではない、ということを、
ここでしっかりと確認しておかなければ、我流スイングへと陥ってしまいます。
 
では、なぜ「背すじはピンと伸ばして構えろ」が定説となり、
アマチュアゴルファーに誤解を与えるようになってしまったのでしょうか?
 

背すじの伸びは個人差が大きい
ゴルフのアドレスは、股関節を上手く使うためにお尻を出して構えます
お尻を出して前傾すると、背すじは「反る」まではいきませんが、スッと伸びます。

伸びの度合いは、年齢や背筋の強さにもよるので、個人差が生まれるところでしょう。
お尻を出すと、首の付け根から尾てい骨までに軸の意識が生まれます。
 
2020619235650.jpg

背すじは無理して伸ばさなくても良い。
お尻を出すことがポイント。

別の見方をすれば、お腹をへっこまして構えること。

 
首筋から尾てい骨までがある程度一直線でないと、スムーズな軸回転ができなくなります。
このお尻を出す意識がなく、ただ、地面にある球に対して構えにいくと、
背すじが「曲がった」アドレスになってしまうのです。
 
20206200119.jpg

お尻を出して構えたスイングでのフォロースルー。
前傾角度が維持されていることに注目。

 

 

これを避けるために「背すじをピンと伸ばせ」という表現が生まれたと思われます。
 
 
背すじが反った悪い例
今度は逆に、背すじをピンと反ったままスイングをしてみてください。
アドレスでは気づかないかもしれませんが、ダウンスイングから
フォロースル―で身体が伸び上がって、アゴが浮いて
しまい、スムーズなターンができません。
 
20206200944.jpg

背すじを反らせて構えると、
必ず左腕が突っ張ってしまいます。

この状態からダウンスイングすると、
 

 
20206200103.jpg

左肩が過度に浮き、スムーズに振り抜けません。

 

 

 
スイングで一番マズい、「右肩が大きく下がって」しまい、
手前をダフるか、それを過剰に嫌がってトップすることになってしまいます。
 
自分流スイング作りでは、こういう“言葉のアヤ”に惑わされてはダメです。
スタンダードスイング理論のアドレスを良く理解していただき、
正しいアドレスを身につけていただきたいものです。
 
 
自分流スイングへの転換のコツ
私たちが日常の場面で自然に立っている姿での背すじが、
アドレスでの背すじの伸び具合という理解
が、自分流スイング作り考え方です。
 
もし、普段の立ち姿で背中が曲がり気味の人は、アドレスでも、
お尻さえ出ていればOKです。構えた姿の背すじは曲がり気味なのが自然でしょう。
 
202062001148.jpg

背すじが自然なテンションで構えた理想的な姿。
何分でもこの姿勢を維持できるでしょう。

背すじを反らせ、腕を突っ張って構えた状態では、
1分もすれば、苦しくなるはずです。

 

 

 

普段の立ち姿でも、背中が曲がり気味の人がいました。
ゴルフ仲間にも「背中が曲がっているから、もっと背すじを伸ばして」と言われたそうです。
背すじを伸ばそうと、アドレスの度にひたすら背中を反らせる仕草をしていました。
私がそれに気づき、

「お尻だけ出して、もっとラクに構えてスイングしてみてください」
 
とアドバイスしたら、「ずいぶんスムーズにスイングできるようになりました!」と、
スイング中のストレスが軽減されたようです。
 
その人の「自然でラクな構え」は、やはりアドレスではどうしても
背中が曲がってしまっていますが、骨格上仕方のないことなのです。
 
あのジャック・ニクラウスは、アドレスでもそうでしたが、
普通の立ち姿も背中は曲がり気味です。


 

正しい理解のポイント

アドレスでは、無理に背すじを伸ばそうとはせずに、 お尻を出すというポイント を守ってください。
バックスイングが始まり、身体が動き出したら、背中は丸めるイメージでちょうどいいのです。
 
2020620195822.jpg

バックスイングは、強い腹圧をかけましょう。
上半身と腕に力みが出せなくなります

自分流スイング作りの裏技、秘伝です。

 

 

 
2020620195853.jpg

背すじは緩やかなカーブを描いている。

 

 

 
スイング中に力む人は、バックスイングからダウンスイングにかけて、
「背すじ緩ませる」イメージをしてみてください。
きっと前傾姿勢の保てた、良いダウンスイングのフォームになるでしょう。
信じられない人は、動画等でフォームを撮って確認してみると理解できるはずです。
 
プロゴルファーや上級者は、ダウンスイングからインパクトにかけて、
みんなアドレス時より、背すじが緩んでいます。
 
2020620195920.jpg

お腹に力が入っていて、
アゴを浮かさないように意識すると、
自然のこの形になります。

 

 

 
ゴルフ雑誌に出ているプロの連続スイング写真を見るとわかりますが、
ダウンスイングからインパクトにかけて、スイングしている人の腕とクラブを“消して”みてください。
背すじが丸くたわんだ状態になっていませんか?
 
背すじが反っていると、身体全体が硬直しやすくなり、
どうしても力が抜けない状態になってしまいます。
 
フォロースルーからフィニッシュで、左ヒジ(右利きの場合)が外側に張ってしまい、
背筋がそっくり返っているゴルファーの方は、
ぜひ「スイングで動き出したら背すじは緩ませる」をお試しください。 
 
202062020033.jpg

アドレスで背すじが反り、腕が突っ張っていると、
ダウンスイングから必ず伸び上がってしまう。

 
202062020056.jpg

フォロースルーは、左ヒジが曲がってしまい、
スムーズに振り抜けなくなる。


あらためて見ていただくとわかりますが、
プロの背すじはアドレスでは伸びていますが「反って」はいません。
身体は、緊張して硬くなればなるほど、アドレスで背中が反り返り、
ダウンスイングからお腹は出っ張ってしまうのです。
 
 
≪まとめ≫
 
背中は、スイングの大黒柱~
前傾姿勢はスイングの要です。
特に背すじは大黒柱の役割を果たし、ダイレクトに良い前傾姿勢につながります。
 
大黒柱が適正な機能を果たさなければ、ナイスショットは望めません。
前傾姿勢とセットで考えるのが、ヒザの曲げ角度と身体の前後の体重配分です。
 
ワキの下から垂線を引いてきて、ヒザ頭と土踏まずまでが一直線にそろうようにします。
それが適正な前傾姿勢とヒザの曲げ角度です。
 
202062020125.jpg

ワキの下からヒザ~指の付け根が一直線だと
バランスの良い構えになる。

 

 

 
良い前傾姿勢と、身体の前後のバランスのいい体重配分は、
スイング軌道の最下点を安定させます。
 
背すじが反ってしまった前傾姿勢のままスイングすると、
ダウンスイング以降ヒザが突っ張ってしまいます。
 
当然インパクトでは、クラブフェースが球に届かなくなりますから、
腕を伸ばしたりして最下点を“探らなければ”ならず、非常にミート率が悪くなります。
 
2020621122016.jpg

インパクトで身体が伸び上がるので、
手で打ちにいかないと球に届かない。

まさに、スイング軌道の最下点を、手で”探りに”いっている

これでは、手と身体との間隔が広がり過ぎてしまう。

 

 

ヒザを曲げた角度と身体の前後の体重配分が良い適正な前傾姿勢は、
スイング中でもその角度が保たれるので、スイング軌道の最下点を探りにいく必要がなく、
再現性の高いインパクトが実現できるようになります。
 
 
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vol.47 ダウンスイングでタメを作らないと飛ばないのか?

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ダウンスイングからは、

「ギリギリまでタメをほどくな」

という表現を聞いたことがあるでしょう。

201896104834.jpg

タメとは、“切り返し”と呼ばれるバックスイングから
ダウンスイングに移った直後の、

手首とシャフトとの間にできる角度のことで、
鋭角な程、飛ばしのパワーが
溜まっているとされています。


 

グリップが腰の高さ付近まで下りてきても、シャフトは地面に対して
まだ垂直(正面から見て)に近い角度で立ってしなっている瞬間のことです。

まさに、アマチュアゴルファーの憧れの形です。

しかし、この「ギリギリまでタメをほどくな」という表現を真に受けているゴルファーは、
切り返しからタメを、手で意図的に作ろうとしているようです。
 

 

ここが我流スイングへの落とし穴だった!

「タメを作ろうとする」タイプの症状として、決まって右に飛び出して右に曲がる弾道に悩み、
それを警戒して過度のリストターンをしてしまうといった、左右のひどい曲がりに悩んでいます。

そうやって、曲がりが予測不能の我流スイングへと陥ってしまっています。

 

20189610517.jpg

ゴルフ本などでプロが言う、

「ダウンスイングからギリギリまでタメをほどくな」

とは、”プロの自分自身のイメージ”であり、

「タメをほどいてはいけない」

ということではありません。
いつの間にか、そう伝わってしまったようです。

 

 

ほんの15年程前までのクラブは、シャフトが短くヘッドも小さかったので、
このタメのテクニック(シャフトをしならせる)が必要とされていました。
ダウンスイングからタメて下ろさないと、飛距離が出せなかったからです。

 

201896105018.jpg

タメたものはいつか解き放たないといけません。
この解き放つことを、“タメをほどく”と言います。

レッスン用語では、

「リリース」「アンコック」「キャスティング」

などとも呼ばれています。

 

 

 

 

作るのではなく、「できる」もの

タメは、手で意図的に作るのではなく、
切り返しでの上半身と下半身のねじれ差ができる一瞬で“できる”もの
です。
しかし、このテクニックがなかなか難しい!

「ギリギリまでほどくな」の解釈が一人歩きしてしまい、
身体のターンや、タメをほどく動作のタイミングを見失ってしまうのです。

 

201896105249.jpg

結果、決まって手元が大きく先行して、
ダウンスイングから腕が詰まったようになり、

 

 

202052010578.jpg

インパクトでアドレスの位置にヘッドを
スクエアに戻せずに曲がってしまうか、
最悪シャンクにもなってしまいます。

こうして、我流スイングに典型的な「振り遅れ」になってしまうのです。

    

 

 

■ 自分流スイングへの転換のコツ
2018917171250.jpg
バックスイングは、コックという動作をして
クラブを立てていき、タメを作る準備をします。
コックを「する」のですから、
したものは戻さなければなりません
 

 

 
2018917171755.jpg

この戻す、コックをほどく動作がアンコックです。
 

 

切り返しで生まれたタメを、

「ギリギリまでほどかない」
 
の“ギリギリ”が究極のテクニックとなります。
切り返しで生まれたタメのパワーを、ダウンスイングからクラブで
球に伝えるのがアンコックの役割(身体の回転のパワーを伝える)です。
 
 
自分流スイング作りでは、タメを意図的に作ることはしません

 

202052013513.jpg
このような、ギリギリまでコックをほどかずにインパクトするには、
高度なテクニックと絶妙なタイミングが必要だからです。

 

202052013546.jpg

トップの位置から、ダウンスイングに移る瞬間

よく言われているのが、

「手元やヘッドを真下に下せ」

ですが、自分流スイング作りでは、
矢印の方向に動かすイメージを持ってください。

 

タメを意識的に作っていない、アンコックの動作

タメをほどきながらダウンスイングしている形のイメージ。

                この形をイメージするのは危険!

2020520144447.jpg

 

 

 

202052013642.jpg

インパクトは、ヘッド先行のイメージで。
手元が右太もも付近で球をとらえる意識で良いでしょう。

 

20205201382.jpg

                実際の形はこうなるが、意図して作らないこと。

 

 

2020520131027.jpg

インパクト直後のヘッドが先行した形 

              ヘッドが先行していないNGな形                

202052015114.jpg

自分流スイング作りでは、スイング軌道は円を目指します。
ヘッドが先行していないNGな形は、クラブヘッドのベクトルが目標方向になっています。
これでは円運動にならず、遠心力も活かせません。

クラブヘッドは、目標側に出していくのではなく、左肩の後ろに放り投げるイメージです。

 

 

2020520145536.jpg

グリップエンドを地面に向けるようにシャフトを立てていくと、
クラブヘッドは完全に先行していき遠心力が活かせ
ヘッドスピードもアップしていきます。

 

2020520131154.jpg

左肩の上でグリップエンドが目標に向いていると、
クラブヘッドは完全に円運動をしたことになります。
自分流スイング作りで目指す形です。

 

【まとめ】

最近のクラブは、シャフトも長く性能も良くなり、タメはかえって不要になってきました。
難しいタメのテクニックを、シャフトの長さと性能が代行してくれるのです。
アンコックだけで十分に飛距離を出すことができます

アンコックは、タメのテクニックよりもずっとやさしく、練習すればマスターできるようになります。
自分流スイングでは、ダウンスイングから積極的にアンコック&リリースしてヘッドを先行させ
ミスの頻度と度合いの少ないドローボールを目指します。

 

vol.47
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vol.46 「ダウンスイングはインサイドから」を誤解していないか?

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vol.46
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ダウンスイングは「インサイドから下ろせ」の正しい理解

 
初心者の頃や、スライスボールや引っかけボールが直らないゴルファーのダウンスイングは、
“適正範囲を越えた”アウトサイドからクラブを下ろしてしまっています。
 
そんなタイプのゴルファーに対する修正法として、
ダウンスイングは「インサイドから下ろせ」という表現が使われています。
 
 
2018127161810.jpg

【適正範囲を超えたアウトサイドからのダウンスイング】

 

理想的なダウンスイングの軌道は、
シャフトが右肩と右ひじの中間くらいに下りてくる。

 

2018127162228.jpg

【理想的なダウンスイングの軌道】

この瞬間は、グリップエンドが球を指しているのが理想。

 また、アマチュアゴルファーの憧れの球筋であるドローボールを打つにも、
ダウンスイングをインサイドから下ろし、
「インサイド~アウトサイド軌道で振れ」と表現されています。
 
しかし、この「インサイドから下ろせ」を一生懸命練習しているが、
スライスボールや引っかけボールが直るどころか、
ますます右に飛んでいき、シャンクも多発するようになってしまった。
 
どうしたらいいでしょうか・・・。こんな質問をよく受けます。
 
 
ここが我流スイングへの落とし穴だった!
ダウンスイングが、アウトサイドから下りてくるのを修正するために、
この項目を練習しているゴルファーを見ていると、
かえって逆効果になってしまっているケースが多いようです。
 
「インサイドから下ろす」= スライスの矯正と解釈しているようです。
 
 
2018127161931.jpg
【適正範囲を超えたインサイドからのダウンスイング】
 
「トップの位置から、そのまま右下にストンと落とす」
などとも表現されますが、アンコックやボディターンといった
他の必要な動作と組み合わせないと、
結果的にタメをほどかなかったことと同じことになり、
右に飛び出して右に曲がる、OB続出の
最悪のプッシュスライスの原因になっています。
 

 

 
 
ここで理解しておきたいのは、
どの程度」のアウトサイド、インサイドが適正かつ許容範囲であるかということです。
 
 
2018127163312.jpg
逆効果になってしまっているゴルファーのバックスイングは、
適正範囲を越えてインサイドに入ってしまっています。
 

 

2018127163047.jpg
当然ダウンスイングからも、適正範囲よりもさらにインサイドから
クラブを下ろすことになり、手元が大きく先行してしまいます。

クラブフェースが開いて下りてきて、大きく右に飛んでいくことになる、
我流スイングへと陥ってしまったのです。
 

 

 
ポイントとなるのは、何に対して「インから下ろす」かです。
 
練習場では上手くいくのに、コースではダメというゴルファーは、
「球(だけ)に対して構えていて、ラインに対して構えていないからです。
 
つまり、コースでは多くのゴルファーが練習場よりも右を向いてしまう傾向があります。
 
コースで右を向いてしまうゴルファーが、ダウンスイングを適正範囲よりも
さらにインサイドから下ろせば、
これはかなり右方向に打ち出してしまうことになります。
 
 
自分流スイングへの転換のコツ
バックスイングの適正範囲のインサイドを理解するために、
スタンダードスイング理論を復習してみましょう。

視覚化するためにターゲットラインを引いてみます。
 
2018127164227.jpg
手元が8時の位置でのクラブヘッドの位置は、
ターゲットラインのやや内側にあります。
ここからコックでシャフトが立っていき、トップでは、
シャフトがほぼ右肩幅の上に位置すれば適正範囲です。
 
2018127164736.jpg

ダウンスイングは、右肩と右肘の間にシャフトが
下りてくれば適正範囲のインサイドです。

201812716518.jpg

トップの位置から、直接球を打ちにいこうとせず、
アンコックをしながら右ワキ付近に下ろすと同時に、


※ アンコック

ダウンスイングで、右ひじを伸ばし、
右親指を下に向けながらクラブヘッドを振り下ろすこと。
「リリース」や「キャスティング」とも言う。

2018127165451.jpg
一気にターンしながらインパクトします。
 
この流れは、
ダウンスイングでタメらないと飛ばないのか?
を参考にしてください。
 
 

 

 

 ダウンスイング8時の位置でも、クラブヘッドとシャフトが
バックスイングとほぼ同じになれば、ナイスショットは約束されます。
これが、インサイドからダウンスイングすることです。

 
201812717248.jpg

バックスイング8時の位置

201812717358.jpg

ダウンスイング8時の位置

 
201812717735.jpg

バックスイング8時の位置

20181271764.jpg

ダウンスイング8時の位置

 
2018127163047.jpg
注意点は、シャフトが適正な角度より
も寝てしまう(水平に近くなる)のはNGです。
シャフトが右肘よりも下になってしまうと、完全なエラーです。
 
これを防ぐために、ダウンスイングからインパクト直後のフォロースル―までは、
手元は身体の近くを通過していくイメージをもっておきましょう。
 
 
 
 
正しい解釈へのポイント
 
この項目を誤解しているゴルファーに、適正なインパクト直前の軌道を説明すると、
 
「えっ?こんなに外(アウトサイド)からなんですか?」
 
と、よく言われます。
 
201812717148.jpg
適正範囲を知らずに、ただインサイドから
下ろしているゴルファーは、
インパクト直前のヘッドの位置と
シャフトの角度を画像のように
イメージしています。
これでは、スクエアなインパクトに間に合いません。
 

 

 
2020529101549.jpg
 
フェース面が真下を向いている
 
 
過剰な手の返しで上の画像のような振り遅れを
間に合わせようとしますが、
インパクトで、スクエアにタイミングを
合わせるのが困難で、
なかなか安定したショットは打てないでしょう。
 
この時点では、クラブヘッドの先端が、
ほぼ真上を向いているのが適正です。
 
 
 
【まとめ】
スタンダードスイングのフォロースル―側のスイング軌道も併せて確認しておきましょう。
ここに振り抜こうとイメージしておけば、手元は身体の近くに通すことができます。
 
さらに、左肩と左肘の間にシャフトがおさまります。
バックスイングの8時、ダウンスイングの8時、インパクト直後のフォロースル―4時の位置が、
この範囲にあれば、安定したインパクトが実現できます。
 
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vol.45 フォロースルーは大きくて速いほど飛ばせるのか?

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フォロースルーは腕で大きくするな

 
「大きなフォロースル―で、腕をできるだけ遠くへ伸ばして」
 
「フォロースル―でヘッドスピードが最大になるように大きく振り抜け」
 
など、ヘッドスピードアップのレッスンでよく見聞きする表現です。
フォロースル―でダイナミックに腕が伸びた姿は、確かに華麗でカッコいいですね。
 
 
201812892216.jpg

ダイナミックなフォロースルーは憧れの形!

 

以前に、
 
フォロースル―で最大のヘッドスピードにしようとしたら、もうスイングが終わってしまった
 
と言われたことがあります。「こうしよう」と思って動作に移すよりも、
ヘッドスピードの方が速かったということでしょうか。
 
 
 
本項目のキーワードは、
 
1. 「遠心力
2.「スイングは左右対称
3.「~する、しよう
 
の3つです。
特に、ゴルフスイングの動作を身体と頭の両方で理解を深めるためには、
動作に意図を込めて「~する、しよう」と、
結果的に(意図は込めずに)「そうなる、なっている」の違いを見ていきましょう。
 
 
 
ここが我流スイングへの落とし穴だった!
プロの連続写真を正面方向から見ると、フォロースル―の一瞬の一コマで、
クラブヘッドが目標方向を指している瞬間があります。
 
腕がしっかり伸びて、クラブヘッドを目標方向に
まっすぐに放り投げているるように見えるかもしれません。
 
 
202052916595.jpg

クラブヘッドが目標を指している瞬間

 

 

 
よく「フォロースルーはハンマー投げのように」などの表現でも説明されています。
しかし、ハンマー投げは、持っている道具自体を目標に飛ばします
 
スイングとは運動の種類が全く違うはずで、この表現は大変誤解を招きます。
目標にまっすぐに放り投げるハンマー投げのイメージが強すぎると、
 
202052917839.jpg
フォロースル―でアゴが浮き、
両ひざも締まらずに
クラブに「持っていかれる」ような
体勢になってしまいます。

 

 

 

 
 

遠心力を考慮しなければ、円と直線がケンカしてしまう 

ゴルフスイングは、円運動であることに異論を唱える人はいないでしょう。
「クラブヘッドを目標に真っすぐに放り投げる」は、“直線運動”がイメージされてしまいませんか?
 
円運動の中に直線が入れば、円であるべきスイングの軌道が崩れてしまい
ヘッドスピードも大きく落ちてしまいます。
 
2020529171039.jpg

円運動の途中に、
“真っ直ぐに見える一瞬”があるだけで、

円運動をしているクラブヘッドが向かう先は、
目標方向よりも、むしろ目標と
反対方向になるはず
です。

 

 

 

 
物体が円運動をすると、中心(身体)から(クラブヘッドが)外へと
膨らもうとする遠心力が働きますが、クラブヘッドを丸く動かせば、
遠心力を生かしてヘッドスピードを上げることができます。
 
しかし、目標方向に真っ直ぐに放り投げようとすれば、遠心力とケンカしてしまい、
クラブヘッドがますます身体から離れて、スクエアにインパクトすることができなくなります。
 
 

 「遠心力について」は ⇒ こちら


 
スタンダードスイング理論では、バックスイングとフォロースル―は左右対称のイメージです。
ダウンスイングからフォロースル―にかけて、ヘッドスピードが大きく上がるので、
ヘッド軌道は遠心力で膨らんでいきます。
実際は左右対称からフォロースル―側の軌道がやや大きくなってしまうのです。
 
フォロースルーは大きく「なってしまう」のであり、大きく「するのではない、という理解が必要です。
遠心力を計算に入れず、結果的に大きく「なる」ものを大きく「しよう」とするところに、
我流スイングへの落とし穴があったのです。
 
遠心力は、正しく理解して生かせば、スピードアップがはかれ、飛距離を伸ばせますが、
意味や効果が解からず、ただ速く振ろうとすれば、負けてしまいナイスショットは望めません。
 
 
 
自分流スイングへの転換のコツ
おおよそ、ヘッドスピードが42~43までなら、そんなに速いヘッドスピードではないので、
プロのような大きなフォロースルーにはならないはずです。
腕は、伸ばすよりたたむときにスピードが上がり結果的に円運動になるのです。
 
そこにヘッドスピードなりの遠心力が発生して、フォロー側が大きくなり、
実際の形としては左右対称ではないという理解が必要です。
 
動作のイメージは、左右対称でで良いでしょう。
「イメージ」と「実際」が違うということの理解が必要です。
 

 参考ページ「失敗しないスイング作りの5か条

 
 
 
2020529171210.jpg
チェックの方法として、
クラブを反対に持って振ってみてください。
ビュンと音が鳴るように振るには、
腕はコンパクトにたたんでいくはずです。
 
逆に、クラブを目標方向に放り投げるように振れば、
途中で滞ってスピードがかなり落ち、
ビュンと音は鳴らないでしょう。
 
 
 
2020529171415.jpg

OK 腕をコンパクトにたたんでいる

2020529171437.jpg

NG 目標に放り投げるように

 
クラブヘッドは、目標方向と反対側に放り投げるイメージが正しいことがわかるはずです。
クラブを通常の使用に持ち直してスイングして、フィニッシュでピタっと止まれたら、
結果的にフォロースル―で最速のヘッドスピードに「なっている」ことでしょう。
 
 
 

正しい解釈へのポイント

フォロースル―とは、インパクト後の部分の形です。
インパクトでフェースと球が接触している時間は、ほんの一瞬でコントロールできる世界ではありません。
 
「フォロースル―でヘッドスピードを最大にしろ」「大きなフォローする―で」と言われても、
球がフェースから離れてしまってから、大きな動作やスピードをかけても意味があるとは思えません。
 
 
アベレージゴルファーが、この定説を文字通り受け取れば、
やはりその部分に来てから「そうやろう」としてしまうでしょう。
スイングは、インパクト前から以降にかけて、スピードが最高潮になります。
 
そのとき、腕が目標方向に引っ張られて、放り投げているように、
「見える」のであって、「放り投げている」のではありません。
 
 
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vol.44 スイング中のベタ足は、安定感につながるのか?

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下半身の安定はベタ足との関連


スイングを安定させるには、下半身の動きを抑えることだ

安定したショットをするには、べた足にしろ

と、よく耳にしませんか?

「バックスイングの左足かかとヒールアップは、軸がブレる」

などと言われています。

 

2018810123957.jpg

左かかとのヒールアップとは、
バックスイングからトップ・オブ・スイングにかけて
左足かかとが軽く浮く、または意図的に
浮かせる動作のことです。

 一方、インパクトからフォロースル―にかけても、
右足はべた足が良いと言われることもあり、
これも解釈が難しそうです。

今回は、


1.    バッスイング、フォロースル―の「ヒールアップ」と「べた足」の違い

2.    そのメリットとデメリット

という視点で展開していきます。



 

NGスイングへの落とし穴 

ゴルファーは、「スイングが安定する」や「軸がブレない」という言葉に弱いようです。

 

20188161548.jpg

確かに、べた足だと下半身は動きにくいので、
スイングが安定し軸がブレないイメージがします。

しかし、ベタ足の意味を正しく理解していないと、
腕が上手く使えなくなってしまう
ことがあるのです。

 

201881615752.jpg

べた足を意識し過ぎて
下半身をガチガチに固めてしまい、
膝や腰がスムーズに動かないと、

201881615856.jpg

ダウンスイングから左ヒジが張ってしまい、
インパクトでヘッドが戻らずに振り遅れやすくなります。

べた足(左かかと)でバックスイングをするためには、
股関節の可動域の充分な広さが必要です。


しかし、アマチュアゴルファーで
必要な可動域を備えている人は大変少ないです。


一方、フォロースル―でのべた足(右足の)を正しく理解するには、
「べた足の状態
や「べた足の期間」という目安が必要です。

 

201881615174.jpg

アプローチショットは別ですが、
フォロースル―からフィニッシュにかけて、
べた足のままのプロは皆無です。

ということは、いつか右足の
かかとは上げていかなければなりません。

 

「いつまで(期間)べた足のままでいいのか」

がわからないから、「べた足」という一点に意識が
ロックされてしまい
、そのまま手だけでフィニッシュまで
振ってしまうのです。

 

 これでは、身体の回転や腕の動きがじゃまされ、ヘッドスピードが出せません。
「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる」
ようなもので、NGスイングへと陥ってしまうはずです。



自分流スイングへの転換のコツ

ゴルフでは、完全ベタ足でいいのは、パターだけです。
フォロースルーで右足のかかとは、明らかに浮かないまでも
浮こうとしている
のが正しい理解です。

 

2018816151355.jpg

フォロースルーで右かかとが浮いていかないと、
スムーズな身体の回転ができません。

スイングでスムーズな回転をするには、
上半身ではなくフットワークで回転していくのが
良いスイング
であり、
正しくフットワークを使って軸回転をすれば、
安定したインパクトが実現できます。

 

 

 

スエ―してしまうかも?

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バックスイングで左かかとをヒールアップしたら、
「右ヒザが流れやすくなり、スエーするのでは?」
と思われているようです。

 

2018816162148.jpg

内股気味にしてヒザが左右にブレないように気をつければ、
 

 

2018816162231.jpg

むしろ左足かかとをヒールアップした方が
ラクにバックスイングが作れます。

 

左かかとを、ヒールダウンさせると同時にダウンスイングを開始すれば、
下半身から順番に動かせて、スイングのリズムもタイミングも良くなってきます。

よって、自分流スイング作りでは、

バックスイングで左足かかとをべた足にするメリットはない

と考え、ヒールアップを推奨します。

極端にヒールアップするのではなく、球1個分程度で十分です。
左ヒザは前方に突き出さず、内股に使っていきます。

 


【正しいダウンスイングの実感】
ヒールアップしたトップの位置で3秒程静止してみてください。

腕でクラブを引っ張りあげず、上半身や腕をリラックスさせることも忘れないようにしましょう。

この状態から、左足かかとをドンと踏み込めば、必ず腕が勝手に下りてきます。
結果的に、ダウンスイングは適度なインサイドから下りてきて身体のターンもスムーズになります。


 

2018816162148.jpg

フォロースル―では、エックス脚のイメージで
ターンすれば、スイング軸をブラさず、
右足かかとは上がるべきときに上がっていき、
切れのあるボディターンできます。

 

2018816162510.jpg

エックス脚でターンするフットワークなら、
べた足よりもむしろ安定するというのが、
自分流スイング理論です。

 


正しい解釈へのポイント

特にフォロースル―においてのベタ足とは、ほんの一瞬であり、
ずっとキープすることではありません。

高速度カメラで撮られた連続写真の、その一瞬だけを見ていたら、理解を誤ります。

べた足タイプのスイングとは、

ベタ足の状態や期間が長いタイプか短いタイプか

に分かれるだけです。
特に飛ばし屋タイプでは、
インパクトゾーンで右足を
ベタ足にしていることは、ほぼありません。
スイング中のエックス脚をキープして、一気に右足をターンして飛ばしていきましょう!

もちろん、べた足で上手く打てている人は、そのままでOKです。
柔軟性に富んでいるか、腕の使い方が上手なゴルファーなのでしょう。


ここでの解釈で大事なのは、

「べた足でなければならない」「ヒールアップしてはならない」

といった“限定”はよくないということです。

自分の特徴や身体能力を見きわめ、適している方法を採用することが
自分流スイング作りなのです。

 



《 べた足のメリット 》

最後に、べた足が特に必要な場面をお教えしましょう。
傾斜地からのショットやバンカーショットです。

これらの場面では、スイング中終始ベタ足状態が必要です。

 

2018816164125.jpg

「つま先下がり」、「つま先上がり」、「左足上がり」の傾斜地では、しっかりべた足にしておかないと、
 

 

2018816164238.jpg

バランスを崩し、インパクトの最下点がズレて
ミスショットになってしまいます。

しかし、べた足といっても腰は少し回ります

 

2018816164618.jpg

バンカーショットも、やはり腰は少し回ります。

傾斜地やバンカーショットでも、
下半身を完全に固定してしまうと、
腕がほとんど振れなくなってしまいます。

 

201881616422.jpg

「左足下がり」だけは、フォロースル―で右足の
かかとを上げていかないと、ダフッてしまうので、
例外となります。

 
傾斜地やバンカーショットでのべた足スイングの腕の使い方は、
ヒジをコンパクトにたたみ、手首を柔らかく使うことです。

通常のアドレスよりもヒザを低く落として連続素振りをしてみてください。
傾斜地やバンカーからの腕の使い方が上手になります。

 

2020529162454.jpg

① ダフらないようにヘッドは浮かす

2020529162513.jpg

② バックスイングはスクワットする感じ

2020529162533.jpg

③ ヒザにしっかりと踏ん張りを感じよう

 

また、スイング軸が安定し、バランス力がアップする一石二鳥の練習法です。
傾斜地ショットの直前に実践すれば、ナイスショットの確率が上がるはずです。

 


【まとめ】


■ ベタ足の意味を正しく理解していないと、腕の動きが悪くなり、ミスショットになりやすい。

■ ベタ足スイングは、股関節の可動域の充分な広さが必要だ。

■ 自分流スイング作りでは、逆にヒールアップをお勧めする。
 

■ 左ヒールアップは、バックスイングでしっかりねじれて肩が入り、良いトップが作れるし、
  ダウンスイングからは、自然に下半身から始められ、スイングのリズムやタイミングが良くなる。


■ スイング中、やや内股感覚を維持していれば、軸ブレやスエーは充分防げ、
  ヒールアップのデメリットは気にしなくても良い

■ ベタ足が必要な状況は、傾斜地やバンカーショットである。
  バランスが保ちにくいし、平地や芝の上からの通常のショットよりも、
  少ないフットワークで済むからだ。

■ 考え方として大事なのは、
 「ベタ足にしなければならない」
「ヒールアップしてはならない」
  といった「限定」は良くない。

■ 自分の身体的特長や能力を見きわめ、
  ベタ足かヒールアップの適している方を選ぶのが賢明である。

 

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vol.43 広いスタンス幅は、下半身の動きを安定させるのか?

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広い、大きい = 飛距離アップ?

「スタンス幅は広いほうが、スイングバランスが安定する」
 
という定説を信じているアマチュアゴルファーが多いようです。
 
 
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”いかにも飛ばせそう?” な広いスタンス幅の構え

ゴルフスイングの技術を説明する表現はいろいろあり、
ゴルファーによって解釈が幾通りにも分かれるようです。

「広い」「大きい」という言葉からは、
大きな飛距離につながりそうな印象を抱いてしまいそうです。
 
この定説でのキーワードは、
 
1.「筋肉の柔軟性」
2.「関節の可動域・範囲」
3.「スイング軸」

です。
 
 
ここが我流スイングへの落とし穴だ!
広いスタンス幅は、身体をスムースに回転させにくい
人気若手プロの石川遼選手や、今は引退した宮里藍選手は、
スタンスの幅も定説通りに広く、どっしりと構えていて、いかにも力強そうです。
両選手とも非常に柔軟性が高く、特に石川遼選手は
並はずれて関節の可動域が広いことを雑誌で披露していました。
 
広いスタンス幅のメリットは、体重移動の量も大きくなり、
大きなフォームでビッグドライブが打てることでしょう。
 
しかし、大きな体重移動をするということは、
バックスイングとフォロースル―でスイングの軸が2つ必要になり、
十分な柔軟性が不可欠で、技術的にもかなり難しくなります。
 
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バックスイングは右腰に軸をイメージ

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フォローからは左腰に軸をイメージしてターン

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フィニッシュ


 
 
十分な柔軟性や関節の可動域の広さ、難易度の高いテクニックを理解・習得せずに、
単純に、「飛ばしたいから体重移動する」だと、
腕の振りが身体の回転と連動させにくくなり、我流スイングに陥ってしまいます。
 
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腕の振りと身体の回転が連動していない

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腕の振りと身体の動きが連動している

 
自分流スイング作りでは、アベレージゴルファーには、
2軸スイングよりは技術的にやさしい1軸スイングをおすすめしています。
 
スタンス幅を広く取れる条件
フィニッシュで右足がきれいにつま先で立てて、両ももと両ひざが付くことです。
身体が硬くて、スタンス幅を広くすると、バックスイングでかなり苦しく感じ、
フォロースル―でのスムースな下半身のターンができにくくなります。
 
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■ 両ひざが付き

■ 右かかとが真上を向く 

 
広いスタンス幅は、スイング中の横揺れや静止状態からの揺れには強いです。
だから、広いスタンス幅は逆に安心して横にゆれてしまうという盲点があります。
 

広いスタンス幅の理解
広いスタンス幅は、あくまでも止まっているときや、単純な横揺れに対して安定するのです。
また、スタンス幅の広さに比例して、力みを招く気持ちが高ぶってくることでしょう。
 
スイングは回転運動だから、自分流スイング作りでおすすめする1軸スイングでは、
横には極力動かないほうがいいのです(実際はスタンスの幅に応じて少し横にスライドする)。
 
2020619181226.jpg

バックスイングで右膝ははみ出さない

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フォローでも枠からはみ出ないように

 
両足を閉じてスイングすれば、横に少しでも動くとおっとっと、となりますが、
回転運動に対しては、かえってバランスが保てることが実感できるでしょう。
 
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お腹に力を込めながらバックスイング

2020619183712.jpg

インパクト~フォローでビシッと止める

 
自分流スイングへの転換のコツ

スタンス幅は、柔軟性やスイング技術により、適正な広さには個人差があります。
アベレージ&アマチュアゴルファーには、むしろ狭めのスタンス幅が効果的です。

 

2020619184928.jpg

狭いスタンス幅でも、腹筋に力をこめて、
軽く内股気味をキープしてスイングすれば、

 

2020619184632.jpg
シャープな回転とスムーズな腕の振りができます。
飛距離は、まったく落ちません。
 

 

 
 
もともとスタンス幅が広かった方は、おススメのスタンス幅にすると、
「狭い」と感じてしまいますが、きっと慣れます。
 
ショートアイアン以下の短めのクラブで、身体が硬い方が適正なスタンス幅よりも広いと、
202061919140.jpg

スムースな身体の回転ができず、
スイング軌道の最下点が球をとらえる手前になり過ぎて
大きくダフってしまうでしょう。

 
柔軟性に乏しいゴルファーのスタンス幅の具体的な目安は、
 
■ サンドウェッジから7番アイアンまでは靴の横幅一つ分
■ 6番アイアンからユーティリティまでは靴の横幅二つ分
■ ウッド系は靴の横幅三足分
 
と決めておくといいでしょう。
 
202061919316.jpg

靴の横幅1足分

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靴の横幅2足分

 

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重心は、足の裏の土踏まずにかけると安定します。
つま先体重でもかかと体重でもありません。

 

正しい理解のポイント

力を出そう、より「力を逃がさない」ように
スタンス幅の広さは、そのゴルファーの飛距離の欲に比例します。
より大きな力を加えたいのでしょう。
 
どれくらいの広さからが、ミスを招くスタンス幅の広さなのかを、把握しておくべきです。
前述しましたが、フィニッシュで両ヒザが付き、バランスよく静止できるとOKです。
 
目安として、自分では「やや狭いかな」で実は十分な広さなのです。
スタンス幅は、狭すぎても、例えばほとんど両足を閉じていても、
かえってシャープにスイングできてほとんどデメリットはありません。
 
といっても、閉じてスイングする人もいないでしょう。
私がたくさんの人にアドバイスして、スタンス幅を狭くして打ってもらった結果でも、
ドライバーで最小限の幅にした方で、靴の横幅2足分でした。
 
もっと狭く、とアドバイスしても、バックスイング直前でもじもじしてしまい、
それ以下にした人はいないくらいです。
グラグラして気持ち悪いとのことでした。これは、横に動きたいからでしょう。
 
自分流スイング作りのフットワークを思い出してください。
「もっと力を出そう」としてミスを招くよりも、
十分溜まっている力を逃がさないようにしよう、と考えましょう。
 
 
まとめ
 
スタンス幅が広いと、どうしても不必要に大きく動きたくなるものです。
不必要に大きく動いても、かえって正確に球をとらえられず、
逆に飛ばなくなってしまいます。一般的に言われる「ミート率が下がる」のです。
 
アベレージゴルファーは、「大きなパワーを生み出そう」よりも、
「パワーの逃がさないように」と考えた方が、飛距離ロスや方向性のブレの両方を軽減でき、
結果的に「平均飛距離」を落とさずにすむと考えてください。
 
 
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vol.42 体のねじれ差を作り大きなトップでないと飛ばせないのか?

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ねじれ差 = 飛ばしの元?

飛ばすには下半身をどっしりと動かさず、
 バックスイングで上半身とのねじれ差を作り、
 大きなトップ・オブ・スイングで飛ばそう!


ゴルフ雑誌で、有名プロのスイング解説記事などでよく見かける表現ですね。
「下半身を動かさず」という表現からは、いかにも体勢が安定して、
曲がらずに飛びそうな感じが伝わってきそうです。 

 
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下半身をどっしり動かさず、上半身と下半身の
ねじれ差を作ったバックスイングは、こんな風になりそうです。

 
○○プロのように、下半身をどっしりさせ、大きなバックスイングを作る。
 アマチュアゴルファーも真似てみよう

も、レッスン記事をよく見かけるものです。
 
毎日トレーニングやストレッチを実践し、
食事管理まで徹底しているプロゴルファーのスイング動作を、
果してアベレージゴルファーが真似できるのでしょうか?  
 
 

ここが我流スイングへの落とし穴だ!

 
≪ブレーキをかけながらアクセルを踏み込むようなもの≫

下半身をどっしりと」「上半身と下半身のねじれ差をできるだけ作れ
 
よくよくこの言葉の真意を理解していないと、我流スイングに陥ってしまいます。
では逆に、下半身を”どっしり”の反対である、スイング中に身体がグラつくとは、どういった症状でしょうか?
 
私は、以下の症状を挙げます。

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1. 膝が割れる(アドレス時のヒザの間隔より大きく外側に広がる)

2.スイング中、靴が外側にめくれる(親指が外側に浮く)

 
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3. フィニッシュで、「おっとっと」とバランスを崩す 

などでしょう。
 
ゴルフスイングでの「下半身はどっしりと」は、動かないように固定することではありません。
スイング中、下半身はしっかり動かすべきです。ただ、「正しい動かし方」があります。
下半身の正しい動きと、正しいフットワークをおぼえてください。
 
 
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正しいフットワーク1

自分流スイング作りのフットワークでは、
左ひざは内側に入れていきます。

2020618233837.jpg

正しいフットワーク2

フィニッシュでは、両ひざが付き、
右かかとが真上を向きます。

 
下半身を動かさずに大きなトップ・オブ・スイングを作ろうとすると、
まるで、ブレーキをかけながらアクセルを踏み込むようなもので、相当身体が苦しいはずです。
 
 
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特に上半身はかなり力み、
仮に大きなバックスイングが作れたとしても、

2020618234315.jpg

ダウンスイングでは完全に
コントロール不能になってしまうでしょう。

  
 

自分流スイングへの転換のコツ


≪自分の適正なトップの位置を知ることから≫
 
自分に適したトップの位置のチェック方法をお教えしましょう。
まずは、ふだんイメージしているトップ・オブ・スイングの形を作って、しばらく静止してみてください。
10秒間以上、無理せず静止できる形があなたの適正なトップの位置です。
 
 
202061823518.jpg
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多くの我流スインガーは、上の左の画像のトップの位置をイメージするようです。
この形だと3秒程度で、だんだん腕が下がってきていませんか? 
ほとんどの方が、10秒間静止できないことでしょう。
 
自分流スイング作りでは、上の右の画像のトップ位置がおススメです。

えっ?こんな低くて小さいの!と思うかもしれません。
この位置や形だと、10秒間はラクに静止できるのではないでしょうか。
 
実際のバックスイングでは、クラブを上げるときの勢いや反動、
力みなどで、イメージしている大きさより、大きくなってしまう
ものです。
それを計算に入れておきましょう。
 
 
「つもり」と実際の動きとの差
10秒間以上静止できる位置をイメージしながらバックスイングしてボールを打ってみてください。
ビデオででもチェックしてみるとよくわかります。
実際は、思っている位置よりずっと高い位置に上がっていることに気付くことでしょう。
 
自分流スイング作りでは、バックスイングの大きさは、小さいな、物足りないな
と感じるくらいがちょうど良く、
スイングも安定すると考えていきます。
 
 
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理想的なトップの位置と形

バックスイングで肩をしっかり回さないといけないのか?」と併せて考えると、理解しやすいでしょう。
 
 
バックスイングは、ねじれ差より回転で作る

ねじれ差で作るバックスイングは苦しいものです。
よほどの柔軟性と弾力性に富んだ筋力が必要です。
 
上半身と下半身とのねじれ差を最大にしてパワーを溜めるのは、
トレーニングを積んでいるプロのフォームです。
自分流スイング作りでは、できるだけラクな回転でバックスイング~トップを作っていきます。
 
バックスイングは、
 
2020619008.jpg

背中を目標に向けるイメージを持ちましょう。
背中全体を一枚の板と意識するのがおススメです。

腕で上げる意識が薄くなり
その人にとって適正なトップの位置におさまります。

 
20206190432.jpg

 背中を目標に向ける始動として、
右ポケットを後ろに引っ張ってもらうイメージがおススメです。

この方法で、スムーズな回転とコンパクトなトップができます。
 
 
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注意点は、手をインに引き過ぎないこと

 
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右ひざの内側で踏ん張ること

 
 
自分流スイング作りで役立つフットワーク

自分流スイング作りの練習ドリルとして考案した「内股ターン」がおすすめです。
バックスイング~フォロースルーと、パワーが逃げない良い回転ができます。
 
まず、お尻を突き出して、腕とひざをX状にします。
 
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202061902737.jpg

そのままバックスイングすると、正しいフットワークになります。

右ひざが流れなければ、左かかとが少し浮くのは問題ありません
むしろダウンスイングは、左ひざからしっかり踏み込めるので、
動作のタイミングが取りやすくなります。

 
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アドレス時のエックス脚から、そのままフィニッシュまでターンした感覚が、正しいフォロースイングのフットワークです。

 
中心に感覚が絞り込まれる感じがしませんか?
 
身体の中心に感覚が絞り込まれる感じが、左右のグラつきやブレを防ぎます。
どうしてもキツかったら、スタンス幅を狭くしましょう。
 
フィニッシュでは、右ひざが左ひざの裏側に入り込むくらい内股になるように練習してください。
フットワーク練習は、部屋の中でできるのでおススメです。
 
ボールを打つ実際のスイングでは、力んだり、エラーの動きが入ったりして、
関節の可動範囲がかなり狭くなってしまいます。
「内股ターン」練習で、ヒザの関節にキツめのフットワークをしつけておくのがいいでしょう。
 
実際のスイングでのコツは、エックス脚まではせず、両足の親指を地面に突き刺す意識を持ちます。
 
フィニッシュで、両膝がぴったり付くのが目安です。
スイングの動きが小さくなった気がしますが、
これは、垂れ流していたパワーを両ヒザの間に閉じ込めたからです。
 
 
 
フットワークの練習法 その2
 
100円ショップなどで売っているビーチボールを、
両ひざにはさんでスイング中落とさないように動ければ、

「しっかり下半身を使いつつブレない」フットワークが身に付きます。
 
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アドレスでは、ビーチボールが落ちない
程度に軽くひざを締めておきます。

バックスイングでは、ひざでビーチボールを
徐々に締めていき、
ダウンスイングから
フィニッシュに向けて、

一気にボールを押しつぶすようなイメージです。
(実際は押しつぶれません)
 

 

スイングの動きが小さくなった気がしますが、
これは、垂れ流していたパワーを両ヒザの間に閉じ込めたからです
 
ビーチボールを外しての実際のスイングで、
どうしても下半身がキツかったら、スタンス幅を狭くしましょう。

フィニッシュでは、右ひざが、左ひざの裏側に
入り込むくらい内股になるような動き
ができれば最高です。

 

 

正しい理解のポイント

スイング中の、「本能的な動き=キツさから逃げる」を考慮することです。
 
バックスイングで筋肉や関節を無理に引っ張ったり大きく伸ばしたりしたら、
ゴムと同様に、筋肉は、ダウンスイングでは反対に縮んでしまうのです。
 
20206190364.jpg
結果、フォロースルーで左肘が引けて、
身体の回転がにぶったり、
身体が伸び上がってしまったりしてしまいます。
 
 
まとめ
「関節や筋肉に負荷をかける」と表現しますが、「負荷 = キツい」でしょう。
キツいと、スイング軌道をイメージしながらより、
早くキツさから逃れたい”のではないでしょうか。
 
打つ前のイメージでは、こうスイングしよう、と思っていても、
無理して引っ張った関節や筋肉の痛さ、
キツさから逃れる本能のほうが優先されるようです。
 
スイング中に、キツさから逃れる動きは、スイングを崩す動きです。

バックスイングの大きさは、個人差です。
一概に大きいバックスイングが飛ぶとは言い切れません。
 
 
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vol.41 ドライバーはアッパー軌道で振るのか?

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ドライバーは、"アッパー軌道"で振るの?

この項目は、ドライバーの飛距離アップレッスンでは、定番中の定番です。

 

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大きなアッパー軌道で振り抜かれれば、
球の打ちだし角度は高くなり、
キャリーも増えるとレッスン記事で見たことがあるでしょう。

 

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一般的には、ドライバーの構えは、
球の位置は身体のセンターより左寄りにセットし、
やや右足体重になっています。

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スイング軌道の最下点が、だいたい身体の真ん中あたりに
なり、最下点を過ぎてクラブヘッドが上昇し始めた付近で
インパクトするのがアッパー軌道です。

 

ゴルフ本でよく目にするのは「球の位置は左足かかと延長線上に置け」とありますが、
一般のゴルフ本や本項目と、当サイト
が提唱するスタンダードスイング理論とを、
比較しながら見ていきましょう。 

 「自分流スイングと「我流スイング」の違いが説明してありますので、ご覧ください。
 

 

ここが我流スイングへの落とし穴だった!     
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「アッパー軌道でインパクト」とセットになるのが、
高いティアップで、左足寄り(過ぎに)に置いていることです。

飛ばし屋の最高峰と言えるドラコン選手が
ものすごく高いティアップをしているので、
真似をするゴルファーが多いようです。

ティアップが高いと、
「飛ばしてやる~!」という気持ちが高まってきます。

 

ドラコン選手で特徴的なのは、広いスタンス幅と、
強いフックグリップでかなりのアッパー軌道で高く打ち出して飛ばすという打ち方です。

 

ドラコン競技の形式はご存じでしょうか?
6回打って、フェアウェイに飛んだ1番飛んだ球が採用されます。

これは、私たちスコアを求めるゴルファーが目指すスイングとは明らかに違います。
たとえミスショットだろうと、打ってしまったら、
1打として数えなければならないのがゴルフプレーです。

スコアメイクを基準に置いた「ゴルフプレー」用のスイング作りと、
6分の1発狙いの「ドラコン競技」用のギャンブル的スイングの違いと言えます。

ドラコン選手は、飛ばすためにあらゆるミスを想定して練習しているはずですが、
アマチュアゴルファーが安易に真似をするには危険過ぎます。

 

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過度のアッパーに振りぬこうとすると、
結果的に右肩が大きく下がってしまい、身体の回転ができず、
インパクトの前に地面を叩きやすくなったり、
カチ上げるようなフォロースル―になってしまうでしょう。

こんなことを繰り返していては、
我流スイングを固めてしまうことになります。

 

 こんなフォロースル―の形はNGです。
 

 

自分流スイングへの転換のキモ

「アッパー軌道で振る」と「アッパー軌道になる」の解釈で、スイング動作が変わってきます。

 

201892142422.jpg

スタンダードスイング理論では、スタンスの中央で
スイング軌道のほぼ最下点になるわけですから、
左足かかと内側付近にあるボールをとらえるときに、
結果的に”アッパー軌道でとらえる “ことになります。

 

201892142717.jpg

 

 アッパー軌道で”とらえられた”インパクト直後

 

“意図的に”アッパー軌道でスイングするのではありません。
 

201892143210.jpg

 

 手元と身体から離れ過ぎるのはNGフォロースル―


過度のアッパー軌道で、下からカチあげるように
ボールをとらえる動きは、
高い柔軟性と筋肉隆々の
身体能力がなければ、
方向性を損ない、
パワーの伝導率も高くはありません。
 

 


自分流スイングでは、一発狙いのスイングは求めませんから、ティーアップはやや低めにします。
スイング軌道の最下点を意識しながらスイングするようになるので、
ダフりやテンプラが減りミート率が高まります。

自分流スイング作りでは、ドライバーの最高飛距離よりも平均飛距離がアップすることを目指します。
あくまで、スコアメイクを優先するからです。


※ 「自分流スイング」「我流スイング」の定義は、こちらでご確認ください。 ⇒ こちら

 

正しい解釈のポイント

ドライバーは、14本の中では一番シャフトが長く、ロフト角度も小さいので、
ナイススイングをすれば、一番「飛んでいく」クラブです。

もちろん、自分のヘッドスピードやミート率に合ったクラブでなければなりません。
ヘッドスピードが40以内のゴルファーなら、ロフト角は10~12度がおすすめです。

ティを低めにして、過度のアッパー軌道にならないようにスイングすれば、

「フェアウェイウッドの1番」

になり、打ちやすさが倍増します。

実際の弾道より低く飛んでいくイメージを持てば、不必要なアッパー軌道を防止し、

安定したドライバーショットが打てるようになります。

 

ドライバーの球の位置は左かかと延長線上でないとダメなのか?
と、セットで学習していただくと、理解も深まるでしょう。

 

 

まとめ

■ ドライバーは、アッパー軌道で打てば、打ち出し角度も高くなり
  キャリーが稼げて飛距離アップが望める。

■ アッパー軌道でのインパクトは、球の位置やスタンス幅、ティの高さなどを考えること。

■ 「アッパー軌道で振る」となると、過度にアッパーにしようとしてしまいがちだ。

  「”結果的に”アッパー軌道になる」のが、ドライバーショットの良いスイングとなる。


■ 100切りを目指すスイング作りでは、「一発の飛び」は目指さない。
むしろ、ミスの少ない安定的な1打がほしい。そのために、ティアップは、やや低めがおススメだ。
そのほうが、過度のアッパースイングを防げ、アイアンやフェアウェイウッドと同じ軌道で打てるからだ。
つまり、「フェアウェイウッドの1番」になるからだ。ロフト角も、10度以上はほしい。

 

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vol.40 1Wの球の位置は左足かかと延長線上でないとダメなのか?

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vol.40
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「限定」と「基準」と「推奨」

ゴルフレッスン用語の表現では、

■ 限定:「~しなければいけない」、「~ではいけない」
■ 基準:「~をすすめている」、(基準平均値・標準値)
■ 推奨:「~が良いでしょう」
 
などがあり、それぞれの表現の正しい解釈が必要です。
 
2020618154116.jpg
ここでは、
「球を左足かかと延長線上に置かなければならない
と、なっています。
技術論の一部が限定されていることになります。
ゴルファーの技術レベルや身体能力に個人差があれば、
「限定」なのか「基準」なのか「推奨」なのか、解釈や受け入れ方にも個人差が出てきます。
 
 
表題の「左足かかと延長線上に球を置かなければならない」は、限定になりそうです。
「限定」で好結果が出るかどうか
という視点でこの定説の説明に入りましょう。
 
この項目は、「ドライバーはアッパー軌道で振るのか?」もご参考にしてください。
 
 
ここが我流スイングへの落とし穴だ!
技術論の「平均値」という視点を持つ
 
どのゴルフ教則本やゴルフ雑誌を見ても、ドライバーの球の位置は、
「左足かかと延長線上に置く」と書いてあります。

どの本でも”となると、「そうでなければならない」と解釈したくなってしまわないでしょうか?
この場合は、「左足かかと延長線上に置かなければならない」という「限定」ということですね。
 
でも、教則本や雑誌よく読んでいると、「でなければならない」とまでは書かれていません。
具体的には、「左かかと延長線上に置きましょう」「~置くとよいでしょう」となっています。
 
ということは、この定説は、「推奨」と解釈するのが適切なのです。
より正確に言うと、「推奨」と「基準(または平均値)」の両方の意味を含んでいます。
 
 
自分流スイング作り的解釈では、
 
「 まずは左かかと延長線上に球を置いてみることから始めましょう。
  その位置で当たれば、それで良し。当たらなければ、
  左右に少しずつズラして、当たる位置を探していきましょう 
 
となります。
 
 
基準や平均値というのは?
例えば10人のゴルファーがいるとしましょう。
 
■ 左かかと延長線上より、さらに左に置いている人が3人。
■ 左かかと延長線上より、右に置いている人が3人。
■ 左かかと延長線上に置いている人が2人。
■ 上記の人たちより、かなりズレた位置に置いている人が2人。
 
10人の球の位置の平均値は「左かかと延長線上」となります。
ゴルフの教則本などの説明は、ほぼこの「平均値」で説明してあり、
「~でなければならない」は少なく、
「~がよいでしょう」「~が、おススメです」という推奨がほとんどです。
 
よって、「平均値・基準」は、「推奨」とほぼ同じ意味と解釈してください。
球の位置は、”絶対に”左かかと延長線上に置く必要はないのです。
 
ここの微妙な解釈を誤ると、自分に合った球の位置にアレンジできず、
我流スイングへと陥ってしまうでしょう。

 
 
 
球を左かかと延長線上に置くメリット・デメリット
 
メリット
適正なアッパー軌道で打てれば、最大飛距離を稼げる。
 
デメリット
■ 誤った知識や動作でのアッパー軌道だと、ミート率が下がる。
■ 球がこの位置で、広過ぎるスタンス幅だと、鋭いボディーターンや、
  絶妙な体重移動ができないと、正確なインパクトは作れない。
 
・フェースローテーションが大きいタイプなのか小さいタイプなのか
・ボディーターンがしっかりできているのか、できていないのか
・柔軟性に応じたスタンス幅になっているのか

でも、ゴルファー各自の適正な球の位置は変わってくるのです。
 
 
自分流スイングへの転換のコツ

■ もしドライバーが上手く打てなければ、「左足かかと延長線上」を基準に、
  左右に動かして、一番とらえやすい球の位置を決める。

■ スタンス幅が、どうしても広くなり過ぎる傾向が高いので、
  自分の柔軟性に応じたスタンス幅になるように調整する。 

 

まず、ご自分のスイングタイプをチェックしてみましょう。
ドライバーショットの構えでは、「左足かかと延長線上」に球を置いている方が多いと思いますが、
まずは球の位置は左かかと延長線上にセットして打ってみましょう。
弾道のゆくえはまだ気にせず、10時~2時のフォームでドライバーを打ってみてください。

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202061816549.jpg
球が右に飛んでしまうなら、
いつもの位置よりも左寄りに置いて
インパクトの位置で右手の甲が正面に向くように
スイングしてみてください。
 
 
 

 

202061816245.jpg

右手の甲を正面に向けるように

202061816262.jpg

さらに、右手の平を下に向けてみるとフックになる

 

202061816742.jpg
逆に、球が左に飛び出す人は、
いつもの球の位置よりも右寄りにして
特にフェースローテーションは考えずに
スイングしてみてください。
ちょっとスタンス幅も狭めにします。
 
 
 これだけでも、大きな曲がりが減ったことでしょう。
 
仮に、右に曲がっていた球筋が左に曲がりすぎるようになった、
逆に、左に曲がっていた球筋が右に曲がりすぎるようになったという場合もあるでしょうから、
微調整を繰り返しながら、安定した球筋が得られる球の位置と、
フェースローテーションを探っていきましょう

 
あまり全力で振らずに調整していくことがコツです。
まずは、ふだん飛ばしている距離の半分からでいいでしょう。
 
フェースローテーションを確認し、スクエアにインパクトできる球の位置を探してみて、
その結果左足かかと延長線上の位置なら良いでしょう。
 

アベレージゴルファーの多くは、スイングに偏りやクセもあるのがふつうです。
自分流スイング作りでのドライバーのスイングでは、
 
2020618172239.jpg

 1. スタンスは狭め 

適正なスタンス幅は、フィニッシュで
両ヒザが付くかどうかで見きわめられます。


もし、ぴったりとヒザが付かなければ、
広過ぎるということになります。


2020618163849.jpg

2. 腕をしっかり振る

逆に、下半身を動かさないくらいだと、
腕がシャープに振れます。

ことをおススメしています。そうすると、ボディーターンが鋭くなくても、
腕の振りにつられて下半身は動かされ、スムースな身体の回転が得られます
 
 
 
基準・平均値からのアレンジ
「ドライバーの球の位置は、左足かかと延長線上に置く」は、基準・平均値であり、
基準通りでナイスショットを打てるのが、プロ~上級者ゴルファーといえます。
 
実状として、スイング自体が平均値からズレていることが多いアベレージゴルファーでは、
むしろ平均値からズラしてもいいと考えてみましょう。
 
自分流スイング作りでは、教科書通りの球の位置だけにこだわり、
美しいスイング、きれいな弾道を追い求めるよりもよりも、
自分が打ちやすい球の位置にズラしていった方が、
大きなミスが減り、
自信を持って目標を狙えることを目指します。
 
 
ドライバーと呼ばないことのススメ
フェアウェイウッドまでなら、上手く打てるのに、ドライバーだけは上手く打てない・・・。
こんなお悩みを持ったゴルファーが多いようです。
 
フェアウェイウッドは、アイアンやユーティリティの延長だから、打ちやすいのです。
しかしドライバーになると、
■ 一気にスタンス幅が広くなる
■ 球の位置が左になる
■ 高くティアップする
と、3つもポイントが変わってしまうので、
どうしてもスイングが変わってしまう・・・。

自分流スイング作りでは、フェアウェイウッドだと当たるのですから、
ドライバーではなく「ェアウェイウッドの1番」と考えてみることをおススメしています。
 
 
フェアウェイウッドの1番のポイント≫ 
 
■ スタンス幅は、ふだんのドライバーの構えより少し狭く。
■ ティアップは、ふだんの高さの半分くらいで。
■ 球の位置は、ふだんの位置より1個分中寄りに。

少し練習すれば、すぐ慣れるでしょう。
最大飛距離はやや落ちるかもしれませんが、
ミート率が上がりミスが減るので、平均飛距離が上がります。
 

正しい理解のポイント

~いまの身体の動きでとらえやすい球の位置を探す~
スタンス幅やバックスイングからフォローまでの身体の回転の度合いや、
フェースターンとの兼ね合いによって、
球の位置が更に左寄りの方がよかったり、逆にスタンス中央に近づけることもありえます。
 
球の位置がスタンス中央だと打ちやすいが、弾道の高さが出ないと言われたことがあります。
そんな場合は、ロフト角の多いドライバーを使えばいいでしょう。
 
よく、球を上げにいってはいけない、と言われますが、スタンス幅が広く、
球を左足寄りに置き過ぎると、自然と上げたくなるイメージになるものです。
下からカチ上げるような打ち方になり、これは正しいアッパー軌道とは言えず、
我流スイングの一種になってしまいます。
 
逆に、右に飛んでしまう場合は、左足かかと延長線上より左に球を置けば、
フェースが左向きに近い状態でとらえやすいので、右には飛びにくくなるでしょう。
 
 
まとめ
最近のツアー選手でも、必ずしも左足かかと延長線上に球を置いていない傾向があります。
どちらかといえば、中央よりに近づいてきています。
現代のクラブ機能の向上により、体重移動も少なくなってきているからです。
 
体重移動が少ないスイング作りの方が、やさしくなります。
自分流スイング作りでは、これを目指します。
 
 

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vol.39 アイアンは、"上から" 打ち込まないとダメなのか?

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憧れのダウンブロー?

アイアンで球を上げるためには、「下からすくい上げるな、上から打ちこめ」、
 
202066174226.jpg
または「ターフを取るように上から叩け」
と言われます。
プロのアイアイショットは、
ダウンブローで球をとらえ、ターフが飛びます。
 

 

 そう打つと、「逆にボールが全然上がらず、飛距離も出ない~・・・。」、との声も聞きます。
 
しかし、遠くへ飛ばすためには、弾道の高さが必要です。
だから、意図的にボールを高く上げようとすると、
下からすくい打ちになっているよ」と言われてしまいます。
 
上から叩くとボールが上がらない、下からすくい打つと、スイングが悪くなると言われる。
いったい、どう打っていいかわからなくなってしまいます。
 
「上から打ちこむ」ことをダウンブローに打つとも言われますが、
それは、どういう打ち方で、どうやって打つのでしょうか?
プロのようなカッコいいダウンブローで打てるようになるのでしょうか?
 
 
ここが我流スイングへの落とし穴だ!

「上から」とは、どのくらいの角度?
テレビ中継の解説などで、プロのスイングに対して
「しっかり上から球をとらえているから、弾道が高いですね」
「よくスピンが利いてますね」
などと耳にしますね。
 
ボールを上から打ちこむことを、「ダウンブローに打つ」と表現されます。
ダウンブローとは、ダウンスイングからインパクトにかけて、
クラブヘッドが地面に触れる前に球をとらえ、球の先の芝を削るように打つことです。
 
しかし、ダウンブローの「上から」の角度の正しい理解のためには、
スイング軌道における最下点と入射角の理論を知っておく必要があります。
まずは、自分流スイング理論に必須の3つの理論」をご参照ください。
 

”文字通り”の表現の正しい理解を
「アイアンは上から打ちこむように」を、文字通り受け取ると、
手だけの操作で、叩きつけるようなインパクトになってしまうでしょう。
「上から打ち込む」という表現は、真上からに近い角度を無意識にイメージしてしまいませんか? 
 
 
2020618105642.jpg
実際の関節の可動範囲や柔軟性では、
「真上から」のような角度で打ちこむのは無理ですが、
私がアマチュアゴルファーとプレーしていて観察していると、
ダウンブローに打とうとして、ダウンスイングの軌道を
最大限垂直に近づけているように打っていた人がいました。
 

 

 
2020618105957.jpg

垂直に叩きつけるようなインパクトの瞬間の形

202061811858.jpg

上半身の動きが、下半身の動きを上回ってしまう。
これでは、球は大きく左に飛び出していく。

 
「上から打て」を曲解した打ち方も、我流スイングの一種です。
自分流スイング作りでは、「にせダウンブロー」と呼んでいます。
 
 
2020618111029.jpg

球を上げようとすくい上げるように
下から上へ振ろうとするのも、我流・変則スイングの一種。

 

フォロースルーへのクラブヘッドの動きとして、
赤い矢印=OK
青い矢印=NG ⇒ 過度に下から上に動かそうとしている。

 
2020618111057.jpg

フォロースルーからフィニッシュへのクラブヘッドの動き。
青い矢印の方向へ振り抜いていくのが正しい。

 

   
 

ダウンブローの詳細と効果

本モノの、正しいダウンブローで打つとは、
下半身リードのハンドファーストインパクト」になります。
 

 各画像自体をクリックしていただくと、拡大されて見やすくなります。
 
2020618112929.jpg

右ひざが目標方向に回転しようとしています。
左腕とシャフトが一直線になっていて、
小文字のになっています。

 

 

2020618113058.jpg

頭の位置は、球の位置よりも後ろに残っています。
赤い線が球があった位置です。

レッスン用語では、

「Head  is  behind  the  ball」
と言われ、
一般的には「ビハインド・ザ・ボール」で通っています。

 

 

 

 

202061811235.jpg

お尻が見えています。
帽子のツバが下を向いていることです。

 

 

 

 
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球は飛び出していますが、まだ顔は下を向いていて、
球のゆくえを追いかけていません。

 【ダウンブローで打つメリット・効果


■ 球にバックスピンがかかり、揚力が発生して高く上がり、落下したらすぐに止まる。

■ パワーが確実に伝わり、強い弾道になる。

 
本物のダウンブローをマスターするのは、大変難しいです。
ダウンブローについては、ハンドファーストで打たないといけないの?」と併せてご理解ください。
 
 
自分流スイングへの転換のコツ
今どきのアマチュア向けのアイアンは、「低重心設計」といって、
ダウンブローで打たなくても、球はラクに上がるように作られています。

 
2020618114643.jpg

ソールの広さとフェース面が大きいのが特徴です。
ソールが狭く、フェース面が小さいタイプは、

それなりのヘッドスピードがないと、
たとえダウンブローで打てたとしても、
揚力が得られず浮いていかないでしょう。

 
 
 
アベレージゴルファーが使えるアイアンとは
アベレージゴルファーが、特にダウンブローのテクニックを
身につけなくても打てるアイアンの目安は、
 
.「低重心」と呼ばれている
.フェースの面積が大きい                             
.ソール(底)が広いもの
 
をおすすめします。見た目がシャープで小ぶりな顔立ちのアイアンは、
それなりの技量が備わっていないと、なかなか打ちこなせないでしょう。          
 
1~3の項目が当てはまるアイアンなら、インパクトからフォロースル―にかけて、
ボールを上げようと、下からすくい上げる動きさえしなければ、ラクにボールが上げられます。
にせダウンブローも我流スイングですが、すくい上げる打ちも我流スイングの仲間です。
 
能力に応じた弾道の特徴を知っておく
各番手で自分が出せうる弾道の高さは知っておくべきです。
ヘッドスピードが速ければ、弾道を高くあげられますし、
遅ければ、弾道は低くなります。
 
ダウンブローで打って効果が出る具体的な目安は、各クラブの飛距離で見ます。
7番アイアンなら、150ヤード以上の飛距離がないと、
ダウンブローで打てたとしても、逆に弾道の高さが出せません。
だから、女性は逆にダウンブローで打たないほうが良いのです。
 
各クラブの飛距離の目安
自分流スイングで100切りを目指す方は、飛距離の目安を知るにはアイアンの主要クラブだけでいいでしょう。
7番アイアン、ピッチングウェッジ、ユーティリティ、フェアウェイウッド、ドライバーの5本で十分です。
 

主要クラブの各飛距離の目安

■ ピッチングウェッジ  90~100ヤード

■ 7番アイアン     130~140ヤード

■ ユーティリティ    150ヤードくらい

■ 5番ウッド      160~170ヤード

■ ドライバー      180~200ヤード

 
では、アイアンはどういう打ち方がいいの?
上から叩くような「にせダウンブロー」はNG、下からすくい上げるような打ち方もNG。
両者の中間の打ち方が理想的です。
下からすくい上げないように、そして上から叩きつけないようにスイングしましょう。
 
上から叩くタイプは、逆に下からすくい上げるイメージを入れてみると、ちょうど良い動きになるでしょう。
下からすくい上げるタイプは、逆に上から叩くイメージを入れてみると、ちょうど良い動きになるでしょう。
 
練習の方法は後述します。
 
 
 
自分流スイング作りでは、ダウンブローで打つことにこだわりません。
はっきり言ってしまえば、ダウンブローで打てなくても、困ることは無いということです。
 
最近のアイアンは、少々ダフリ気味の打ち方でも十分に打てます
むしろダフり気味にインパクトされることを想定されて作られているので、
アベレージゴルファーなら、アイアンが「上から」打てなくても十分にプレーは楽しめます。
 
もちろん、上級者ゴルファー、アスリートゴルファーを目指す方は、
ダウンブローの打ち方のマスターを目指すといいでしょう。
プロのようなダウンブローでとらえることは、
相当な練習と正しいスイングメカニズムの理解がないと難しいです。

しかし、極論すれば、ダウンブローでなくても、
昨今のアイアンでなら十分に飛ばせるし、スコアメイクもできます。
 
 
 
練習場でもできるコツのつかみ方
 
202066171533.jpg

① セット

202066173357.jpg

② ダウンブローで打てたとき

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③ ダフった

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④ 自分流スイングのナイスインパクト

ボールの両端に、ボールと同じくらいの大きさのガムテープを軽く貼り付けます。
②は、ダウンブローで打てた結果ですが、適正な入射角かどうかまでの判断はできません。

③は、手前のテープだけ取れていますが、許容範囲を超えたダフリです。
④が、自分流スイング作りで目指すインパクトゾーンです。

④の打ち方は、球の手前にクラブヘッドが着地していますが、
きわめて緩やかな下降角度で球に
ヒットしているので、
クラブヘッドはラクラク地面を滑り抜けてくれます。

③の、下からすくい上げるような、ダフった球のとらえ方にならないように、常に意識しておきましょう。
インパクトでボールの両端のガムテープごと削り取るようなイメージで打ってみてください。

 

別のイメージもご紹介しましょう。
 

202061812213.jpg

クラブヘッドが、右ひざの高さくらいから
球へと下降していく角度のことを、
レッスン用語で入射角(アタックアングル)と言います。

ダウンブローの入射角は、クラブヘッドが
球の赤道付近にコンタクトし、
球の先(自分から見て左側)に着地します。
上のテープがはがれる説明の②でした。
芝の上でなら、芝が削れて飛んでいきます。

ダウンブローとダフりの差は、
わずか2~3センチ程度しかありません。

 

「入射角」「最下点」についての詳細は、
こちらを参照してください。 ⇒ クリック

 
202061812240.jpg

自分流スイング作りでのインパクトは、
ダウンブローにこだわらなくても良いことは述べました。
クラブヘッドが球の真下付近に着地すればOKです。

スイング軌道の最下点となります。
自分流スイング作りでは、「点」というよりも、
ゾーンとイメージしていきましょう。

 

2020618121746.jpg

球が3つ並んでいるのをイメージしてください。
真ん中の白い球が実際に打つ球です。

自分流スイング作りでは、「入射角は緩やか」を目指します。
球を3つとも”引きずるように”とらえましょう。

前述したテープをはがすドリルでは、④になります。

芝の茎~葉先の部分程度のダフりなら、全く問題なく振り抜けるでしょう。
このインパクトだと、スイング軌道の最下点が、点からゾーンになり、ミスの許容範囲が広くなります。
ヘッドスピードが速くなくても、打ち出しの高さも得られます。
 
 

正しい理解のポイント

先述しましたが、スイング軌道の「入射角」と「最下点」の理解が必要です。
ここが理解できていないと、「にせダウンブロー」や「すくい上げ打ち」の我流スイングに一直線です。

アベレージゴルファーレベルの実際は、アイアンショットで
テレビのプロのようにきれいに「打ちこんでいる」のは少ないようです。

本当にきれいなダウンブローで打たれた弾道は、ボールの打ち出しは低く、
途中からグーンと浮いていきます。球をとらえた後に芝が削れます。
確かにあこがれの弾道なのですが、そう簡単に会得できる技ではありません。

100切り達成を目指す自分流スイング作りでは、
弾道やフォームの美しさはひとまず置いておき、
スコアが出せる弾道やフォーム作りを最優先に目指すという考え方です。
 
 
 
 
≪まとめ≫
 
クラブ作りの歴史として、アイアン自体がプロの技術を基準に作られてきました。
つまりダウンブローで打たないと、うまく飛ばせなかったのです。
昔は、それをアマチュアゴルファーも使っていて、
なかなかダウンブローでインパクトできず、球も浮いていかずに苦労していました。
 
そのような経緯で、アマチュアゴルファーでもラクに飛ばせるように、
キャビティと呼ばれる低重心のソール幅が広いアイアンが作られるようになってきたのです。
キャビティアイアンは、ダウンブローで打てなくても軽度のダフリ程度なら、
うまく飛ばせるように作られています。
 
 
vol.39
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